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2019年08月28日

決済速度に関する実証実験結果

~レジでの会計時、キャッシュレス決済(※1)は現金より16秒速いことが判明~

株式会社ジェーシービー
2019年8月28日

 株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下:JCB)は、2019年10月の消費増税および、キャッシュレス・消費者還元制度の施行に伴い、現金、クレジットカード、非接触型(※2)、QRコード(※3)の4つの決済方法に関して、決済速度に関する実証実験を行いました。

  • ※1

    キャッシュレス決済は、クレジットカード・非接触型・QRコードの3つの決済方法を指す。(以下:キャッシュレス)
    キャッシュレスの決済速度は、3つの決済方法の平均速度から算出。

  • ※2

    非接触型は、QUICPayを指します。

  • QUICPay(クイックペイ)TMは株式会社ジェーシービーの登録商標です。

  • ※3

    クレジットカードはサインレス、QRコードは代表的なQRコード決済サービスより4種類を使用。

図表1. 現金、クレジットカード(サインレス)、非接触型(QUICPay)、QRコードの決済速度の差(※4)

 実験からは、レジ会計においてキャッシュレスは現金よりも16秒速く、非接触型に限ると現金より20秒速く決済できる(※5)ことが明らかになりました。また、実験によって導かれた各決済速度の差をもとに試算したところ、消費者が完全にキャッシュレスへ移行すると、1店舗あたりの労働時間は一日約4時間減少する可能性も示唆されました。

  • ※4

    グラフ横の数値は各決済方法を用いた場合の決済時間の最小値・最大値を示しています。

  • ※5

    「レジ担当者の金額口頭提示」から「商品・レシートのお渡し」までを一会計として計測

【実験結果サマリ】

  • レジでの会計時、キャッシュレスは現金よりも16秒速いことが判明!
    非接触型は現金より20秒速く、約1/3の時間で支払いが可能!

  • 現金からキャッシュレスに変えるだけで、自由に使える時間が年間約3時間増加!?

  • 完全キャッシュレスへの移行で、1店舗あたりの労働時間は一日約4時間減少!?

  • 完全キャッシュレスへの移行で創出される時間は、1人あたり年間約12,000円相当の価値!?

・レジでの会計時、キャッシュレスは現金よりも16秒速いことが判明!
非接触型は現金より20秒速く、約1/3の時間で支払いが可能!

 はじめに、実験の被験者100名を、25名ずつ現金、クレジットカード、非接触型(QUICPay)、QRコードの4つの決済方法で組分け、商品購入までにかかる時間にどれだけ差があるかを計測しました。図表1.は実際の決済速度となっており、非接触型が8秒、クレジットカードが12秒、QRコードが17秒、現金が28秒という結果になりました。
 キャッシュレス決済(クレジットカード、非接触型、QRコード、3つの決済方法)の平均速度を、現金の決済速度と比較したところ、現金よりも16秒、非接触型に限ると20秒速く、決済速度に大きな差があることが判明しました。

図表2. 現金、キャッシュレスの決済速度の差

 また、実証実験で明らかになった各決済速度の差をもとに試算をしたところ、以下の可能性があることが明らかになりました。

・現金からキャッシュレスに変えるだけで、自由に使える時間が年間約3時間増加!?
 実験で明らかになった現金とキャッシュレスの決済速度の差をもとに、実生活に関連する試算をしたところ、普段の買い物で決済方法を完全にキャッシュレスへ移行すると、自由に使える時間が年間約3時間増加する(※6)ことが判明しました。日常生活において、少しずつ現金からキャッシュレスに移行するだけでも、自由に使える時間の増加につながりそうです。

  • ※6

    以下の計算式に基づいて算出
    現金とキャッシュレス決済速度の差(16秒)×日本人の1日あたりの平均買物回数(1.7回)(※7)×365日=9,928秒→2.8時間≒3時間

  • ※7

    本実証実験に伴い全国の20代~60代男女の1日あたりの平均買物回数を調査、1.65回≒1.7回

・キャッシュレス導入で、1店舗(※8)あたりの労働時間は一日約4時間減少!?
 実生活に関連する試算に続いて、従業員の労働問題など社会的な観点では、以下のような可能性があることが明らかになりました。
 前述の現金とキャッシュレスの決済速度の差をもとに、会計(レジ)担当者の労働量について試算したところ、1日の会計(レジ)業務において、消費者の半数がキャッシュレスで支払いをすると、従業員1人あたりの労働時間は約2時間減少。消費者全てがキャッシュレスで支払いをすると、労働時間は約4時間減少(※9)することが判明しました。キャッシュレスの導入によって、従業員の労働量削減や人員不足の解消にも役立ちそうです。

  • ※8

    コンビニエンスストアの1日の来店数をもとに試算

  • ※9

    以下の計算式に基づいて算出
    1日のコンビニエンスストア来店数(848人、日本フランチャイズチェーン協会より)×現金とキャッシュレスの決済速度の差(16秒)=13,568秒→3.8時間≒4時間

・完全キャッシュレスへの移行で創出される時間は、1人あたり年間約12,000円相当の価値!?
 最後に、日本経済にどのような影響があるのかについて試算したところ、消費者が現金払いを続けると、日本全体では1日約22億円分、年間で約8000億円分の時間をロス(※10)していることがわかりました。
 決済手段を完全にキャッシュレスへ移行することによって、時間が創出され、労働に充てた場合1人あたり年間約12,000円相当の価値となる可能性があります(※11)。

  • ※10

    以下の計算式に基づいて算出
    日本の就業者数(6747万人、労働力調査より)×現金とキャッシュレスの決済速度の差(16秒)×日本人の1日あたりの平均買物回数(1.7回)×2(消費者側、店舗側のロス)=36.7億秒→101.9万時間≒100万時間
    日本人の平均給与(420万円、民間給与実態統計調査より)
    時給換算 → 4200000÷245(※7)÷8=2143円≒2150円
    1日の損失額 → 100万時間×2150円=21.5億≒22億

  • ※11

    以下の計算式に基づいて算出
    8000億円÷6747万人=11,902円≒12,000円

【実験概要】

実験名
決済速度に関する実証実験
日時
2019/7/22
対象者
20~40代の男女((株)GMOリサーチ、ジャパンクラウドパネルより採用)
手段
(1)現金、(2)クレジットカード(JCB)、(3)非接触型(QUICPay)、(4)QRコード(代表的なQR決済サービスより4種類を使用)
決済手段ごとに25名
  • 原則、「レジ担当者の金額口頭提示」から「商品・レシートのお渡し」までを一会計として計測

【Appendix】各決済方法の被験者ごとの計測データ